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英文解釈の思考プロセス 第1回 イントロダクション

2014年01月20日

 このシリーズは英語の文章を正確に読む能力を身につけることを目的としています。 TOEIC でより高いスコアを目指すには英文を速くかつ正確に読む必要があります。英文を“正確に”読む訓練を繰り返すことで、読むスピードも向上するはずです。今回はイントロダクションとしていくつかの大切な原理・原則についてお伝えしたいと思います。尚、このシリーズは TOEIC  の Reading Section  のスコアが450以下の方を主たる対象としていますが、その他に英検1級、準1級の Reading  でハイスコアを目指す方や、センター試験、国公立大学の2次試験など大学入試で高得点を目指す高校生にも役に立つと思います。更に、最後に全文の和約例があるのでその部分だけを読んでも楽しんで頂けるのではないでしょうか。

1.思考経済

 一定の時間内に最大の成果を上げるには、目標達成に向けて優先順位 (prioity)  の高いものから処理していく必要があります。これを英文解釈に当てはめると、まず対象となる英文 (essay,passage) の argument (主張、主題、メッセージ etc)を押さえることであり、次にそのエッセイ、パッセージ(エッセイの一節)を構成する sentence  の構造を把握することです。前者がマクロの視点(大局的視点)であり、後者がミクロの視点(分析的視点)です。

2.マクロの視点

 Essay,Passage, News Story  には必ずその作者が伝えたい主張、主題、メッセージがあります。この“主張”は当該 Essay などの一番重要な情報であり、その内容を正確に把握することが最優先事項  となります。その内容はエッセイの冒頭にある Introduction に置かれます。そして主張を説得的にするために根拠が必要となりますが、その根拠を具体的に述べる単位がパラグラフ (Paragraph)  です。従って、第2の優先事項はパラグラフ毎に、主張の根拠となる Main Idea  を理解することになります。一つのパラグラフにおいて Main Idea  は一つだけです。

 そのエッセイ、パッセージを読んでいて、一部で知らない単語、熟語や内容がよくわからない個所が出てきた場合、一番重要な情報である”主張”、もしくは当該パラグラフの Main Idea の内容に戻ることで必ずヒントが見つかります。 TOEIC、英検、大学入試等を受験する際には、この点を覚えておくと必ず役に立つはずです。

 下の図は、300 words 前後の Essay  の基本構造を表しています。最初に導入部 (Introduction、これもパラグラフの一つです) があり、そこに作者の主張が  Thesis Statement  として置かれています。これ以降がエッセイの本体 (Body) となりますが、その主張を裏付ける根拠となるものが各パラグラフの Main Idea を具体的に記した  Topic Sentence です。

 この例では3つのパラグラフで構成されているので、主張の根拠となる Main Idea  も3つあります。そのパラグラフの残りの部分はその Main Idea  の訴求力を高める為に存在しています (Supporting Details) 。その内容は、具体的な事実、事例、統計データ、学説等(Main Idea  を説得的にするものであれば内容はどんなものでもかまいません)から構成されています。最後にまとめとして、作者の主張がその根拠の要約とともに再度登場します(Conclusion  の部分)。このように、エッセイ、パッセージ全体が作者の主張を支える為に存在しています。

 尚、ここで紹介した Essay  の基本構造はどんなに長くなっても変わりません。必ず一つの主張があり、その根拠が各章 (Chapter) に置かれ、その章で提示された根拠をその章を構成する複数のパラグラフにある Main Idea  が裏付けることになります。エッセイ、パッセージ(エッセイ等の一節、一部)の word 数が1000を超えるような場合、まず、Introducution 全体と以降のパラグラフの最初の sentence  (通常ここに Main Idea  を伝える  Topic Sentence  が置かれます)だけを読むことで作者の主張とその論旨の概要が捉えやすくなるはずです。

 Essay Structure  

<  Introduction (導入部) >

T  h  e  s  i  s    S  t  a  t  e  m  e  n  t

<  Body (Essay 本体) >

First Paragraph = Main Idea 1

T  o  p  i  c    S  e  n  t  e  n  c  e

S  u  p  p  o  r  t  i  n  g   D  e  t  a  i  l  s

Bridge Sentence

 

Second Paragraph = Main Idea 2

T  o  p  i  c   S  e  n  t  e  n  c  e

S  u  p  p  o  r  t  i  n  g   D  e  t  a  i  l  s

 

Bridge Sentence

 

Third Paragraph = Main Idea 3

T  o  p  i  c   S  e  n  t  e  n  c  e

S  u  p  p  o  r  t  i  n  g   D  e  t  a  i  l  s

  

<  Conclusion   (結論) >  

T  h  e  s  i  s   S  t  a  t  e  m  e  n  t

                   +

S  u  m  m  a  r  y    of    M  a  i  n   I  d  e  a  s

 

Thesis Statement    ((argument ) 主張、主題、メッセージ)  

It tells the reader exactly what your opinion is.
読者にあなたの主張(主題、メッセージ)を正確に伝えるものです。

 Topic sentence

It needs one reason why your thesis statement is true and it tells the reader what the paragraph is about.  
トピックセンテンスには何故あなたの主張が真実であるのかについて一つの理由が必要であり、又、このパラグラフの内容(Main Idea)が何であるのかを読者に伝えます。 

 Supporting Details

They give specific details and examples related to the topic sentence.
これらのセンテンスは、トピックセンテンスの内容を裏付ける為に、トピック(Main Idea)と関連性のある具体的な説明や事例を提供します。

 3.ミクロの視点

 ここでの最優先事項は、あらゆる表現の背骨 (backbone)  である sentence  の叙述 (Predication,  英語の場合、主語と動詞) の部分を押さえることです。次に sentence  の骨格を正確に把握する必要がありますが、ここでは“骨格“とは sentence  の構成要素、即ち、先述した主語と動詞に加えて、補語と目的語(他動詞の場合)を把握することとします。換言すると”文型”を捉えることです。以下の図は、当校の“英語基礎体力強化コース”のテキストの2ページ目の一部ですが、”骨格”、又は“文型”を捉えるポイントは一つだけで、それはその sentennce において動詞が自動詞、他動詞のいずれで活用されているか、という判断です。具体的には、

1)自動詞としての活用の場合、以降に sentence  の要素として置かれるのは”補語”だけです。従って、動詞(自動詞)の後に、 sentence の構成要素がある(第2文型)かないか(第1文型)のどちらかになります。

2)他動詞としての活用の場合、動詞の後には必ず“目的語”が一つきます(慣習的に目的語が省略されることはあります)。それゆえ、ある sentence  で動詞が他動詞として活用されていれば、 sentence  の骨格を捉える為に必要なのことはその目的語の後に注目することです。具体的には以下の3通りとなります。

a) 目的語の後に何も来ないか、修飾語(句、節)が来る場倍   第3文型

b) 目的語の後に、もう一つ目的語が来る場合           第4文型

c) 目的語の後に”補語”が来る場合                第5文型

尚、sentence  の構成要素と品詞との関係では、主語と目的語になり得る品詞は名詞(句、節)であり、補語となり得る品詞は名詞と形容詞(準動詞(分子、不定詞)を含む)です。

 上述した  sentence  の構成要素以外の部分は、全てその sentence  の構成要素か sentence  全体を修飾する為に存在しています( Modifier、修飾語(句、節)、文法書で “M”  と表示されることもあります)。従って  sentence  の構成要素を押さえた後になすべきことは、修飾語句の修飾関係を明らかにすることです。

 これらの一連の検討を地道に行うことで sentence の構造を正確に把握することができ、その結果として筆者の意図を正確に理解することが可能になります。

 

 Sentence の骨格                       文型

                    (a)                           1                   

                                  (b) 修飾語・句・節

            ()                  (c)  補語                       2                 

主語       動詞       

            ()       目的語                (d)                     3             

                                      (e)  修飾語・句・節  

                                           (f)  目的語                     4      

                                           (g)  補語                   5

 

 それでは、上記のポイントを実践してみましょう。ここではこれまでお読み頂いた、The Adventure of English  の冒頭の部分 (最初の Chapter ‘Introduction’  の  Introduction  です)を読んでみます。

The way in which a few tribal and local Germanic dialects spoken by a hundred and fifity thousand people grew into the English language spoken and understood by about one and half billion people has all the charactaristics of a tremendous adventure.  That is the story of this book.  English, like a living oraganism, was seeded in this country a little over fifteen hundred years ago.  England became its first home.  From the beginnig it was exposed to rivalries, dangers, and threats: there was an escape from extenction, the survival of an attempt at suffofication; there was looting, great boldness, chances taken and missed; there were and there are casualities.  It has often been a fierece war over words – whose language rules? – but also there were and are treasures: literatures, unified governance, and today the possibility of a world conversation, in English.

上記 ”2.マクロの視点”でお伝えしたように、英語の場合、重要な情報が最初に置かれます。ここでも、Introduction  の最初の  sentence  にこの本のテーマ(主張、メッセージ)が何であるかが述べられています。

 次に、最初の sentence  の構造を検討すると、主語は The way  から3行目の billion people  までで、動詞はそれに続く has  、そして has  以下が他動詞 has  の目的語となる名詞句です。その後に senntece の構成要素は存在しないので、
骨格(文型)は The way ~ has all the charactarisitics
                                 S          V              O
となり第3文型です。 この sentence  は主語が長い点が特徴と言えます。その長くなった理由は、先ず、主語の中心部分、 The way  を先行詞として関係代名詞  (in) which  以下が修飾していて、更にその関係詞節の中で、過去分詞、 spoken  や understood  以下が形容詞(句)として前の名詞句、例えば1行目の  a few trible and local Germanic dialect  を後置修飾しているからです。以降の  sentence  はコロン (:)、セミコロン (;) を使うことで直前の  sentence  の内容を様々な角度から立体的に説明しています。又、下から3行目の there were and there are  のように、ある事実を過去と現在の視点から眺めるように、二つの異なった(対立する)角度から自らの主張を裏付けるのは英語らしい表現方法と言えます。

<和訳例>

 15万人に使われていた2,3の部族的、局地的方言が、約15億人によって話され、理解されている英語という言語へと成長した道のりは、素晴らしい冒険が持つあらゆる特徴を備えています。それがこの本がお伝えする物語です。英語は、あたかも一つの生命体のように、ほんの1500年前にこの国に種をまかれました。イングランドはその最初の故郷となりました。当初から英語は、敵、危険、脅威にさらされていました: 滅亡から間一髪で逃れ、窒息死の企てから生き延びました。; その一方で、略奪行為が、目を見張る大胆さが、ものにできた機会や失った機会が数多くありました; 過去においても現在も犠牲者が大勢います。これまで何度も語彙をめぐる熾烈な戦いが発生しました。 ー どの言語が支配しているのか? ー しかし同じように、かつて、そして現在も宝物が存在しています。: 様々な文学作品、英語によって結ばれた多くの国家、そして今日では、英語による世界レベルの交流の可能性です。

 もうひとつ、やや長めの sentence  を読んでみましょう。

     We wish it to be known that the loss of our dear friend, and the deep respect we have for his family, together with the sense of undivided harmony felt by ourselves and our manager have led us to decide that we could not continue as we were. 

この sentence  の骨格は We wish it to be known  という第五文型です。
                                       S    V     O        C                                                   
ここでは他動詞 wish  の目的語である  it  は形式目的語であり、その具体的な内容は続く  that  節(名詞節)にあります。その that  節内部では、主語が3つの部分から構成されていて( the loss of  ~、the deep respect ~、そして together  with  以下の  the sense of  ~)その骨格も第五文型です。
the loss of  ~  have led us to decide that we couldn’t continue
      ( S  )              ( V)   (O)   (C)(V)   (O)                                                       
形式目的語  it  の後の補語の位置にある準動詞(不定詞)は受動態の形式を取っているので、目的語と補語の間には受動の  NEXUS  (ネクサス、sentence  の構成要素である主語と動詞(主節と従属節を含む)以外の部分に成立する実質的な Predication(叙述)、主語と動詞の関係において能動態、受動態が成立するように、NEXUS  にも能動と受動の NEXUS  があります)が成立しているので直訳では「そのことがこれから知られる状態にしたい」となりますが、これでは滑らかな日本語とは言えないので、ここは能動態として「私達は that  以下のことをお知らせしたい」と訳すことにします。

 尚、このシリーズでは主節の構成要素は S,V,O,C  と表示し、従属節の構成要素は (S)(V)(O)(C)  と表示されます。又、目的語、補語の位置に準動詞(不定詞、分子、動名詞)が置かれ、他動詞として活用される場合、上の事例のように  to decide that  のように表示されます。
                                                               (C) (V)   (O)                      
ここでは to decide  は この  sentence  の従属節(形式目的語  it  の実質的内容を表す名詞節)の補語 (C)  であると同時に、準動詞(不定詞)が他動詞として活用されているので  (V)  目的語をとり  (O) 、それが続く  that  節です。その  that 節では仮定法過去が使われていて、助動詞が  could  となっています。 

<和約例>

 私達は、親友の死、彼の家族に対する深い敬意、更に、我々自身とマネージャーが抱いていた不可分一体としての意識に基づいて、かつてのようにバンドとして継続することは不可能であると決断するに至ったということをお知らせ致します。  

 この one sentence  のプレス・リリースは Led Zeppelin  と署名されていました。現在では伝説のロックバンドと言われている Led Zeppelin  がメンバーの一人であるジョン・ボーナム(ドラマー)の死(1980年、9月25日)を受けて同年の12月4日に発表したものです。   

 

 次回以降は、毎回500~1000 words のエッセイ(パッセージ)、ニュース記事等を取り上げて同様の解説を加えながら進めていく予定ですが、次回は2013年の12月10日付けの TIME  誌に掲載された  Who’s Biggest?  The 100 Most Significant Person In History  「誰が最大の巨人か? 歴史上最も重要な100人」です。 

 

To be continued.